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どろどろちゃん

Column

岡先生

コラム

岡村地質のマスコットキャラクター、”どろどろちゃん”と”岡先生”が地質・地盤についてわかりやすく解説します! ほぼ毎月更新の会長ブログも見てね!

01 地質・地盤とは

土と石の種類

岡先生

岡先生

ドロミさんはハワイ島の映像や写真を見たことがありますか?

どろみさん

どろみさん

ええ。火山があって、真っ赤な溶岩が流れている様子をテレビで見たことがあります。

どろどろちゃん

どろどろちゃん

僕も知ってる!流れている溶岩をテレビでは「マグマ」って呼んでいたよ。

土と石の種類
岡先生

岡先生

そのマグマが地下もしくは地上で冷えて固まったものが「火成岩(かせいがん)」。ではドロドロ、大竹海岸に行った事はあるかい?

どろどろちゃん

どろどろちゃん

夏に海水浴に行ったよ。砂山をつくって遊んだりした。

岡先生

岡先生

砂の様な岩石・鉱物の破片や、植物の死がいなどが、運ばれ溜まった後固まったものが「堆積岩(たいせきがん)」。そして一度出来上がった岩石が、地球の地下深部で高温・高圧環境におかれ、固体のまま異なる岩石になったものが「変成岩(へんせいがん)」。
変成岩は、筑波山付近の平沢周辺で見る事ができる。さて、岩石の3大区分がそろった。「火成岩」「堆積岩」「変成岩」だ。これらはさらに以下のように細かく区分される。

火成岩 堆積岩 変成岩
どろみさん

どろみさん

岡先生、土も種類分けできるんですか??
前々から不思議に思っていたのが園芸店に行くと、「鹿沼土」と名前のついた、ポロポロした黄色い軽石が売ってますけど、あれも「土」なんですの?

岡先生

岡先生

そうですねぇ・・・、土の分け方にはいろいろな方法があって、一口にはいえないんですが・・・。まず「土」とは何か、という事からお話しましょうか。
土とは、元となる母材に生物や気候、地形などが作用し長い時間をかけてできた自然のもので、地球表面のまだ固まっていない層のことをさす。土の母材には、岩石や植物の死がいなどその場でできたものや、火山灰など遠くから風や水によって運ばれたものなどがある。土の分類については多くの人がいろいろな角度から議論をしている。私の得意分野は工学的分類なんだが・・・・ちょっとドロドロには難しいかな? 

ジオファント

ジオファント参考文献:三笠正人 土の力学における2つの視点について,
昭和53年度研究講演会テキスト土質工学展望ー全応力法と有効応力法によるアプローチー,土質工学会関西支部,pp.19~33,1978.

どろどろちゃん

どろどろちゃん

・・・難しくてよくわからないよー。

岡先生

岡先生

土のでき方をイメージできればドロドロの年齢では十分だ。カチカチの角砂糖を岩石に例えてみようか。その角砂糖をお皿上でスプーンで押したらどうなる?

どろどろちゃん

どろどろちゃん

そうしたら・・・壊れて砂糖粒になるよ。粉々になって。

岡先生

岡先生

角砂糖を岩石としたならならば、その粉々になった砂糖がつまり「土」だ。今はスプーンでつぶしたけど、角砂糖を粉々にするにはいろいろな方法があるね。ちょっと考えてごらん。

どろどろちゃん

どろどろちゃん

お水をちょっとかけても崩れるよ!

どろみさん

どろみさん

蟻が来て崩しながら運ぶ、というのも粉々になるって事かしら。

岡先生

岡先生

いまお二人があげてくれたように、角砂糖つまり岩石が土になるには様々な成り方がある。それが自然界で言えば気候・地形等の作用という事。
また、崩れた砂糖(=土)がいつまでもお皿の上にいるとは限らない。お皿から風に吹かれこぼれて机に積もる事もある。それが遠くから運ばれて積もった土、という事だな。
更に、角砂糖(=岩石)が白砂糖ではなく黒砂糖だったら、同じ「粉々になった砂糖」でも見た目や性質が違う、という事。色々な土があるって言う事、イメージできるかな?

どろどろちゃん

どろどろちゃん

うん!「土」ってひとつじゃないんだね。

岡先生

岡先生

さて、いろいろな土を種類分けする方法だが、私の知っている「工学的分類体系」の説明をしよう。工学的分類は、粒度組成、土の観察、液性・塑性限界試験結果、これらを組み合わせて決めるんだ。

どろどろちゃん

どろどろちゃん

え?何何??リュード?シケン???

岡先生

岡先生

おっと、すまんすまん。粒度組成とは、土を作っているツブツブの大きさがどのくらいか、また、ツブの大きいもの・中くらいのもの・小さいものがどのくらいの割合で入っているのか、調べて呼び名をつける。砂分30パーセント、といった具合にね。
土の観察とは、腐った木片等生き物の死がいがどのくらい入っているか(有機質含有の程度)、火山から降ってきた灰がどのくらい入っているか(火山灰質土か否か)等を観察する事。有機質土、といった呼び名がつく。
液性・塑性限界試験とは、土がどのくらいの水を含んだらトロトロになるか、どのくらい水を減らしたらポロポロになるかを調べる試験だ。

どろみさん

どろみさん

いろいろな条件を組み合わせて決めるんですね。

岡先生

岡先生

土の試験は、私達で言えば、身体計測・体力測定をするようなもの。さらに、大抵の人は、自分の出身地や父母の血統、地毛が黒い等、自分を他者に表現できる生まれながらにして持つ「データ」があると思う。

土の試験
どろどろちゃん

どろどろちゃん

僕だったら、土岡出身で、足は速い、身長は中くらい、お母さんはドロミ母さん!

岡先生

岡先生

そうそう。土の工学的分類から、その土の概略が理解でき、また多くの人が共通の認識の下で扱うことができる。
はじめにドロミさんが言っていた「鹿沼土」は工学的な呼び名ではなく、園芸用土としての俗称ですね。地質学的に鹿沼土を説明すると、約3万年前に群馬県の赤城山の噴火によって運ばれてきた軽石質火山砂礫が粒状に風化堆積したもの、となる。工学的には、砂礫の粒度組成や風化の度合いによって呼び名が変わる。
地盤工学会による土の工学的分類体系open_in_new

どろみさん

どろみさん

今日は久しぶりに新しい世界が覗けて楽しかったですわ。ありがとうございました。

どろどろちゃん

どろどろちゃん

ありがとうございました!

岡先生

岡先生

いやいや。また何か不思議に思う事があったらいつでもいらっしゃい。